世界遺産 クロアチア・ドゥブロヴニク

 2006年3月22日から一週間、写真家である溝江俊介さんとクロアチアに出かけ、慌しいスケジュールの中、
 二度同じところで生ける機会はないという貴重な体験をさせていただきました。



無骨な石と花・・・ミスマッチな素材が融合していく
IKEBANA STONE&FLOWER の挑戦
城壁、ゴシック・ルネッサンス様式の建物、石畳の路地とクロアチア・ドゥブロヴニクはまさに石の世界。[アドリア海の真珠]とも讃えられる世界遺産の町です。

そこへ私とカメラマンの溝江氏が招かれ、貴重な史跡や教会とフラワーレンジメントのコラボレーションに挑戦・披露してきました。

撮影の舞台となったのは、普段は一般公開されていない場所などが含まれており、特別な許可を得て行ったので、やり直しのきかない一発勝負でした。


 


国内でデモンストレーションを行うのと違い、オランダから空輸されてきた花は自分が思い描いていた花の種類こそ指定どおりのものであっても、花丈が全然違うものが届いていたり、イメージしている作品にするための花の本数がなかったりと融通の利かない海外ではハプニングの連続でした。
 
圧倒的な力のある町の風景、緊張感漂う現場、そして限られた花材。

そんな状態にもかかわらず、自然の何かの力に動かされるように目の前に用意された花たちが予め使うべき場所が決まっていたかのようにすっと位置が決まる・・・
ここでの作品は「花のそのままの姿を生かし、即興で仕上げる」という私のポリシーをフルに出しきる結果となりました。
   

   

この様子は現地でも連日テレビ、ラジオ、新聞とほとんどのマスコミに報道されるほどセンセーショナルな話題となり、街行く人たちの口から「Ikebana!」という言葉が聞こえてきた時には「この外国の土地で日本のフラワーアートがクロアチアの人の心に届いたと分かり、心から嬉しかったことは一生忘れられません。




 世界遺産クロアチアと花職人 都倉八重子の世界
 

 

帰国後、お互いの出身地である川崎(ミューザ川崎)と福岡(福岡アクロス)で、写真展「世界遺産クロアチアと花職人 都倉八重子の世界」を開催。撮影した写真はスナップを含め、1,000枚以上で、どの作品を見ても、ドゥブロヴニクの歴史の重みが画面から伝わってくるものばかりで、その中に自分の作品があることにとても満足を感じました。



ドゥブロヴニクに熟知し、花の精神を理解していた溝江さんだからこそ、信頼してお互いの意見を交換し、BESTな結果を導き出せました。

2009年に発表した「IKEBANA STONE&FLOWER」は、まさに彼と作り上げた1冊です。

50歳の節目にこのような経験ができたのも。駐日クロアチア共和国大使館、クロアチア共和国政府観光局(クロアチアビジネスセンター)をはじめ、多くの方々のご協力のおかげです。

Profile


写真家:溝江俊介(みぞえ しゅんすけ)

1992年 日本広告写真家協会(APA)最高賞受賞
他、多数の受賞暦あり。主に広告写真を撮影、国内外で個展開催。

2002年クロアチア写真展開催。
写真の世界で30年の経験。

 

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